Beauty Topic
メイクする順番は目から? 口から? 正解は?
先日、YouTuberの方に最新コスメを使ったメイク撮影をした時のこと。
メイクテクニックについて打ち合わせしていたら、「1番最初に唇からメイクをする」と聞き、衝撃を受けました。
今までたくさんの方にインタビュー取材をしていますが、全員が目元メイクから始めていたので、「リップメイクファースト」の回答にびっくり。以前、「眉は顔の額縁なので」と眉メイクを1番最初にする人はいたけれど、リップ先行と答えたのは初めて。その場に居合わせたスタッフ全員でツッコミを入れていました(笑)。
でも、言われてみればメイクの順番なんて決まっていないし、100人いれば100通りのメイクの仕方があって良いわけで。ルールなんて関係なしに自由にメイクをしてもらっていいのだけれど……。でも、何かムズムズするというか「本当にそれで完成するの?」と半信半疑。もうそうなると聞いてみたくなっちゃうんですよね。
コロナ生活は「メイク下手」まっしぐらだった
「もともとは目元からメイクを始めていたんです。でも、ある日、仕上がりの顔を見たら、ものすごくバランスの悪いメイクになっていて。それがショックだったんです」。
何色も重ね塗りするとどんどん色が濃くなって、まさに“老け顔“メイクの典型に。わかっちゃいるけど止められない、“メイクのあるある”ですね。
「それに合わせるように眉を描いて、リップを塗ったら……お化けのような顔になっていました」と。皆さんも思い当たる節があるのでは?
さらにマスク生活で目元メイクがフォーカスされるようになり、どんどん“盛るメイク“に。「表現できるパーツが目しかなかったので、今までのようなメイクでは足りないような感じがしたんです。そしたらあれもこれも、と(笑)。気づいたらTOO MUCHな自分らしくないメイクになっていました」。
マスクで顔が隠れるからメイクをしなくて楽チン〜という一方で、メイクが楽しめず辛いという声が挙がってきたのは驚きましたが、「メイクが下手になった」というのは妙に納得。
私自身、コロナ生活でメイクをする機会が減り、腕が落ちたと感じていました。忘れたわけではないのだけれど、アイラインで1ミリの太さや長さが作れなくなったり、アイシャドウの塗り方が雑になったり。当たり前ですが、メイクの仕上りは悪くなりますよね。
以前はできていたことができないストレスも募ると、メイクがおもしろくない。まさに負のスパイラル。
失敗から生み出した「逆転メイク」
メイク下手から脱出して自分らしいメイクを取り戻すには一体何をすべき? 彼女に質問してみると「メイクをする上で大事なことを見直した」という答え。
「自分らしいメイクって何だろう? と考えた時、パーツ毎の訴求というよりも顔全体のバランスやメリハリを優先したい。私はリップメイクが大好きなので、唇が映えるメイクに変えました」。
思いついたのはリップメイクを最初にする、“リップメイク ファースト”。目元のメイクに比重が高くなっていることを反省し、唇に色を塗ってから目元のバランスを取ったそう。すると想像していた以上に仕上がりが良く、今のスタイルに落ちついたそう。
「先にリップを50〜70%くらい塗っちゃうんです。発色やツヤの加減を見ながら目元をメイクすると、以前のようなド派手でモリモリのメイクにならなくなりました。最後にもう一度リップを塗って整えたら完成です」。
さらに、「アイシャドウも上下のカラーを変えたり、目尻にアクセントを持たせたり“メリハリのあるメイク“を楽しめるようになりました」。他にも、チークを使わず、ハイライターとシャドウのみ。色ムラをなくし、肌色を均一にして目元と唇に視線が集まるようにしたのも功を奏したとか。
「リップメイクを先にするようになってから仕上がりはもちろん、気持ちまで変われたことに私自身が1番驚いています」。
そんなに変わるものなのかと翌日、彼女にならってリップをひと塗り。シアータイプのボルドーを選んでみました。唇に色がのるとパアっと表情が明るくなって、それだけで気分が上がるんですよね。目元メイクのやる気スイッチが入るのもわかったし、メイクがより丁寧になったような気も。
まぁ、単純っていえばそうですが(笑)、何だか得した気分になれました。
目からウロコのメイク術。メイクの順番を変えてみるのは良いですね。メイクがワンパターンになっていたり、変化をつけたいという人にはおすすめですよ。
美容エディター・ライター
長谷川真弓