Beauty Topic
時代のニーズに合わせて変化し、生き残った「勝ち組コスメ」とは?
先日、京都で仕事があり、「せっかくだから」と休暇をつけることにしました。一緒に行った得意先の女性も「じゃあ、私も」と一緒に付き合ってくれることに。二泊三日の小旅行、久しぶりの遠出にワクワク。
旅といえば「荷物」。旅慣れている人はとにかく荷物が少ない。小さなバッグひとつで現れると尊敬の眼差し(笑)。私といえば、機内持ち込みサイズのスーツケースにパンパンに詰めてしまうほど荷物が多い……。
「一体、何が入っているの?」と聞かれるのですが、そのほとんどが化粧品なんです。日常使いしているコスメを「そのまんま持って行く」という変なクセがあるのです。化粧水や美容液、クリームなど瓶だろうがボトルだろうがお構いなし。現品をスーツケースに放り込む。さらに、この機に試してみたい新作コスメも持っていくという始末(笑)。限られたスペースなのに、どうしてもやめられないんです。
職業病といえばそれまでなのですが、私のクセを知っている家族や友人は化粧品を持ってきたためしがありません。「ホテルのアメニティで十分だし、足りないものは(私が)全部持ってきてくれるから」と。
みんなに喜ばれるコスメTOP3
3位クリーム、2位クレンジング、1位は?
夜は家族や友人と大抵コスメ談義。持参したコスメを試すみんなを観察しているのですが、おもしろいことに「喜ばれるアイテム」というのはいつも一緒。ランキング順にいうと、第3位は「クリーム」。今回、一緒の部屋に泊まった彼女いわく、「良いクリームを使うと翌朝の肌が全然違う」と喜んでいました。
第2位は「クレンジング」。「潤いを残しながら汚れを落とす」技術はもちろん、クリーム・ミルク・オイル・ジェルなど、ひとつのアイテムにこれだけのテクスチャーがあるのも珍しいですよね。クレンジング力はもちろん、「落とす時の心地よさ」が求められているんですよね。彼女もクレンジングには思い入れがあるようで、「メイクをスルッと落とせることが大切」と話していました。
ダントツの1位は「シートマスク」。特に高級シートマスクにおいては、ほぼ全員が試します。彼女も「シートマスクは週に1度のスペシャルケアとして使っていますよ」と美白用のシートマスクを早速試していました。「本当はもっと使いたいですけどね。でも、機能性の高いシートマスクって価格もそれなりしますから……」。
確かに。いろいろなブランドから高機能シートマスクが登場していますが、価格を調べてみると1枚あたり1000円超えも珍しくなく、中には2500円近くする“高級シートマスク”も。1回の使いきりアイテムに「そんな大金払えない」と言う人もいますが、友人は「それだけの価値はある」と。
万人のニーズに応えた結果
勝ち組に昇格したシートマスク
シートマスク自体は以前からあったので、別に目新しいわけではありません。ですが、これほどまでに時代と人々のニーズに応え、進化したアイテムも珍しいですよね。
例えば、価格。「サボリーノ」や「ルルルン」のような“お手軽シートマスク”が登場した時は本当に驚きました。簡単で気軽、そして“大容量”という三拍子。「洗顔後これ1枚でOK」と言ううたい文句も忙しい女子の心をくすぐり、今や「時短コスメ」の代表アイテムになりました。
それに対抗するかのごとく登場したのが、高級シートマスク。美容成分をたっぷり入れ、最近ではシートにも最新の技術が採用された、まさに全てにおいて“贅沢”仕様。短時間で肌コンディションを高める技術はさすがだし、効果実感を得られるアイテムとしては抜きん出ていますよね。結果、当初の予想をはるかに超えるヒット商品となりました。
どちらのシートマスクも支持された理由、それはかゆいところに手が届く「多様性」なのかと。現に美白、毛穴、シワ、ハリ、くすみなどピンポイントの肌悩みに合わせ、実にたくさんの種類のシートマスクが店頭に並んでいます。さらに1枚での購入が可能になったので、いろいろと試せる楽しさ、ちょっとしたプレゼントとして重宝されているのだとか。さらには、男性用のシートマスクも登場しているというから驚き。この多様性こそ現代人の心を掴み、支持される理由なのではないでしょうか。まさにアイデア商品。
ちなみに、あるメーカーがクレンジングからクリームまでお手入れに使うアイテム数を調査したところ、平均で5〜6個。中には10個以上という人もいるそうですが、今はオールインワンなどの時短コスメも登場している時代。化粧品メーカーの開発担当者が「お手入れの“スタメンアイテム”に選ばれるためには、良い商品を作るだけでダメなんだ」と話していたことを思い出しました。
手を替え品を替え、女性たちのニーズに合わせ時代を乗り越えてきた結果、「なくてなならない」「使わなきゃソン」アイテムに昇華したシートマスク。商品開発者たちの商品への深い愛情はもちろん、“したたかな想い”がなければここまで発展しなかったのでは? 次はどんなシートマスクが出てくるのか、楽しみですね!
美容エディター・ライター 長谷川真弓