Beauty Topics
3年目のマスクメイク
チークやリップは本当に必要なの!?
化粧品カウンターでは春メイクがずらりと登場し、今年のトレンドカラーやアイテムが所狭しと並んでいますね。コロナ禍でさまざまなものの価値観が変わり、今まで当たり前だった「様式」を見直す方も多かったでしょう。もちろん、美容の様式もしかり。リモートワークの普及やマスク生活の影響で「ファンデーションを塗らなくなった」という声を多く聞きました。肌に極力負担をかけず、UVケアとベースメイクの両方をひとつで叶える化粧下地やコントロールカラーのニーズが爆上がり、時代を象徴するアイテムへと昇華したのは記憶に新しいですよね。
そして今、更なる変化の兆しが。「マスクをしていてもメイクはする」という人が多くなったのです。その理由を尋ねると、「マスクを外す機会が増えたから」「外出する時のスイッチを入れるため」「メイクをして気分を上げたい」など。コロナ生活も3年目に突入すれば、メイクに対するニーズも変わりますよね。
先日、撮影で一緒になったヘアメイクさんは「マスク生活の反動なのか、『だからこそメイクをしたい』という女性が増えているんですよ」と教えてくれました。先日、20代のインフルエンサーを起用した撮影の立ち会いがあり、コロナ禍のメイクについて質問してみると、意外な答えが返ってきたのです。
メイクをしていないのは何歳から!?
年齢別でコロナ禍の美容様式が二極化していた
コロナ前と今を比べ、メイクについての変化を質問してみることに。
――メイクの変化はあった? マスクをしているからリップメイクは無し?
「マスクがあろうがなかろうが、リップもチークも塗っていますよ」
――ファンデーションは?
「下地をしっかり塗るようになったのでファンデは薄塗りになりましたけど、(ファンデも)基本、塗っています」
――チークは?
「血色感はマストです! あと、チークの他に小顔に見えるコントゥアリングパウダーも欠かせません」
――リップは? マスク移りして色落ちするから、塗らないのでは?
「オンラインで話す時もリップは塗っているので不要とは思っていないです。外出先でもマスクを外す機会も増えていますし、3Dマスクやティントリップやリップコートを塗れば、それほど落ちません」。
メイクが売れないと言われている中、そんな気配を1ミリも感じさせない彼女の答えに「どういうこと?」と驚きを隠せなかったのが正直な感想。「マスクで顔半分は隠れてしまうので、目元中心のメイクになった時もありましたが、メイクは基本しています」と。
そういえば、行きつけのヘアサロンの若いアシスタントの女の子たちも「メイクはしている」と。アイブロウやカラーマスカラなどトレンドや新商品情報はいち早くキャッチしている風。百貨店に勤務している美容部員さんも「コロナ1年目の時もリップを買い求めにいらっしゃるお客様はいました」と話していました。そこで購入するお客様の年齢を聞いてみると、ほとんどが20代から30代のY世代・Z世代の女性なんですよね。
では、30代半ば以降の女性はどうかというと……例えば、私の周りにいる友だちは「リップ&チークメイクはしない」と(笑)。「外出先でマスクを外さない日はファンデーションも塗らない」と、徹底的に簡略化していました。あぁ、世の中の答えはこの世代の答えだったのか、と腹落ち(笑)。このようにコロナ禍のメイク事情は30代を境に二極化していたのです。
(余談ですが、「メイクの代わりにスキンケアに時間をかけるようになった」という声が多かったです)
マスク生活3年目は「脱マンネリ」宣言
みんな変化を求めている!?
そして今、コロナ禍の美容事情はさらなる局面を迎えようとしています。マスクで顔半分が隠れると表現が限られてくるし、メイクがマンネリ化するとメイクのワクワク感もなくなってしまう……と、みんながモヤモヤしていた中で彗星の如く現れたのが春コスメだったのです。
女性誌や美容誌は「待ってました!」と言わんばかりにリップやチークの特集を大々的に組んでいますよね(笑)。でも……その気持ち、わかるんです。実際、チークを塗ってみると血色感が出て肌色もワントーン明るくなる。すると、目もイキイキして表情も豊かになるんです。
とあるブランドの新商品発表会の目玉アイテムはリップ。このご時世でもリップ推しでした。肌色になじむカラーでずっと長持ち、さらにリップがマスクに移らないなど機能性は申し分なし。大人世代にも魅力的なアイテムへと進化していました。
マスク生活3年目。脱マンネリ!を目指し、メイクを楽しむ新たな1歩を踏み出してみてはいかが?
美容エディター・ライター
長谷川真弓