Beauty Topic

「美白」と言わない日がやってくる!?
点より面、色よりもツヤの時代へ

 「美容業界の稼ぎ時」といえば春と秋。特に寒い冬から季節が大きく変わる春は、肌の変化はもちろん、気分的にもコスメの「衣替え」をする人が多いんですよね。スキンケア・ベースメイク・メイクアップとすべてのカテゴリーが大きく動く時期、しかも「美白」製品はこのタイミングで新作が登場するため、化粧品メーカーも気合いが入っているんです。


美白市場は日本をはじめ、アジア圏特有の市場と言っても過言ではありません。
百貨店のコスメカウンターに外国人観光客が押しかけ、美白製品を指名買いする姿も。今でこそ(コロナの影響で)見かけることが少なくなりましたが、コロナ前はその光景に圧倒されて、“釣られ買い”をしてまったほど(誰かが「これ、良いよね〜」というと、「あらそう?じゃ、買ってみようかしら」ってその気になっちゃう、買い物のあるあるです)。
毎年どこかのブランドで新成分または新技術を採用した美白製品が登場するため、ネタが尽きることがないんです。美容誌のベストコスメで受賞すると、その製品の売り上げはうなぎ登り。今でも多くの女性の心を掴んで離さないカテゴリーなのです。 

 

「点」から「面」ケアへ
美白の定義が変わってきた!?

美白ケアといえば「シミ」対策。ポツポツと肌に浮かぶこのシミをひとつでも無くしたい!とせっせとケアしているのですが、シミへの追求、イコール美白研究の進化となるわけですが、それは目を見張るほどのすざましさなのです。
化粧水や美容液・クリームなど「重ねる」アイテムはもちろん、クレンジング・洗顔といった「落とす・洗う」アイテムにも美白成分を配合した製品が登場していて、よく考えてみると、“洗いモノ”系コスメにも美白効果を搭載してしまうなんて……驚きませんか?  
ひと昔前まではできてしまったシミのケアのみだったものが、今やシミを作らせないはもちろん、未来へのシミケアケアまで広く・深くなっているのです。とあるブランドの最新美白美容液は美容医療にも負けない効果が期待できるとあって、毎日のお手入れががぜん楽しくなってきました。

個人的には「美白熱はさらに加速する」と予測。だけど、今までの美白ケアの定義とはちょっと違い、時代の変化とともにアウトプットの仕方も変わってきているような気がするのです。

それってどういう意味かというと、今までのシミケアだけじゃモノ足りず「点」から「面」へ、ケアの範囲が拡大しているような気がします。
正直、シミを隠すだけなら、ファンデーションやコンシーラで何とかなるんです。でも今は、シミ以外に肌の色ムラやくすみが気になり、顔全体の印象が悪くなる(実は色ムラやくすみは、近年の肌悩みの常連ワードになっているんですよ)。
悪目立ちしている面責が大きいほど、「不健康」や「老け」をイメージさせ、「何とかせねば!」と思いますし、これらの悩みが美白製品で何とかなるなら、やっぱり試してみたくなりますよね。
そう、近年の美白製品はたくさんの肌悩みに応えられるよう、開発されているのです。 

色よりもツヤの時代へ
美白概念がさらに変わる!?

今、肌や髪の色など外見の多様性を尊重するSDGsの動きが世界中で広がっていることは皆さんもご存知のとおり。もちろん、美容業界も大きく変わろうとしています。外資化粧品メーカーを中心に「美白」「標準」などの言葉を使用しない、ことを表明していますよね。 一人ひとりの肌色や質感を「個性」として尊重し、「外見の理想を押し付ける表現を止めます」と。

今までの「色(=白)」の追求を止め、表現方法を変えることは大いに賛成。けれど、書く側としてはちょっと困ったことに。「美白」に代わるワードって? どのように美白製品の良さを伝えていけばいいのだろう、と。この動向をしばらく注視していたのですが、意外にも代替えのワードは身近にあったんです。しかも、皆さん、すんなりと受け入れているんですよね。

それは「ツヤ」。「色(=白)よりも明るく透明感のあるツヤ肌を目指そうよ」という考え方。ツヤという表現は以前からあったし、私たちも事あるごとに書いていたけど、改めて考えると実はものすごく理にかなっているし、今っぽいワードなんですよね。
点より面のケアがフォーカスされている今、ツヤの強度が増すと点も目立たなくなるし、光の反射により若々しく見えるので、「確かにな」と。

あるメーカーの自社調査で「ベースメイクアイテムのニーズに何を求める?」というアンケート調査をしたところ、「シミやくすみをカバーする機能」はもちろんのこと、「肌色が均一でツヤのある仕上がり」を求める声が多くなってきたというのです。さらにすごいのは、ツヤのニーズもたくさんあるってこと。むき卵のようなつるんとしたツヤから、柔らかな光を放つ上品で大人のツヤまで、求めるツヤが一人ひとりに異なるというのもおもしろいですよね。

近いうちに「ツヤ」の定義も細分化され、「ツヤ分けして“なりたい肌”を叶える」みたいなワードやコスメが出てくるのではないかと、想像してみたりして。
美白の領域から抜け出し、新たなカテゴリーが生まれるのか? そもそも、美白という名称は残っているのか? 美容の歴史がまた大きく変わろうとしている……楽しみですね。



美容エディター・ライター
長谷川真弓