Beauty Topic

どこまで伸びる? フェムテック市場

 最近、ちょっと気になっている市場「フェムテック」。皆さんも一度は耳にしたことがあると思います。「Female(女性)」と「Technology(テクノロジー)」の造語で、女性が抱える健康について、最新の商品やデジタル・テクノロジーでサービスを提供しましょうというもの。

フェムテックという言葉を耳にするようになったのはつい最近のことなのですが、実は、日本でも以前からフェムテックの活動はしていて、その先駆けとなったのは2000年にスタートした生理日記録・管理ツール「LunaLuna(ルナルナ)」ではないでしょうか。

スケジュール帳などで管理・把握していた生理日を、いつも持ち歩いているスマホ(当時はガラケー!)で簡単に管理できるなんて、「ほんと便利な世の中になったもんだ!」と当時のことは記憶に残っています。中でも感心したのは、翌月の生理日などの予測機能もしてくれること。「突然の生理に慌てふためくことがなくなった」と、話題になりました。

といっても、日本ではまだ生理を含めた性の話を堂々と語ることはできず、このサービスを認知させることは本当に大変だったと思います。
それから20年という月日を経て、今、この市場がさらに大きくなろうとしているのです。 

 

「あったらいいね!」が現実に
生理週間を楽にしてくれた吸収性サニタリーショーツ

正確にいうとフェムテックの「テック(テクノロジー)」のサービスは入っていないのですが、女性の性や健康、生理環境に一石を投じ、話題になっているということで、ぜひ、紹介したいのが「吸収性サニタリーショーツ」。

生理用品といえば、ナプキンかタンポン、最近では月経カップなどの選択肢がありますよね。生理用ナプキンでも軽くてバッグにかさばらないサイズはあたり前だし、さらにオーガニックコットンで作られていたりと、実にさまざま。そして、新たに参入したのが1日中穿いていられる「ナプキン機能のあるショーツ」。この1年でたくさんのブランドから吸収性サニタリーショーツが登場しました。

この商品を知った時は、「まさか!」「そんなことが可能なの?」と耳を疑ったほど。
日に何度もナプキンを取り替える環境がままならないことだってあります。経血量の多い2〜3日目は漏れの心配もあるので洋服も気にしますし、体調がすぐれないと外出も億劫になってしまうことだってあります。

生理のことを気にせず過ごすことができればいいのに、と常々思っていたけれど、いざ試してみると本当に便利。私が試した吸収性サニタリーショーツは、今販売している商品の中でも圧倒的な吸収率を誇っていて、実際に1日中穿いていても漏れませんでした。吸収力もそうですが、ボクサータイプという点もポイント高し。腰まわりをしっかりホールドしてくれるので、漏れの心配もなく、快適に過ごせたのです。
使うほどにその良さを実感できる商品に出合ったのは久しぶりでした。

早速、この感動を記事にしたところ、行為的な意見が多かった一方で、そうではない意見もありました。ですが、個人的にはいろいろな意見があってしかるべき。大切なのは「生理の悩みを解決する選択肢が増えること」ですから。試してみたら生理の煩わしさや悩みが解消できたとなれば、こんなに嬉しい話はありませんよね。

生理って隠すこと?
女性の体の仕組みをオープンで言える時代に

言われてみれば、家族やパートナーに生理のことをオープンに話している人ってどれくらいいるのでしょうか?
遡ること、初潮を迎える小学5〜6年生の頃に女の子だけが呼ばれ、保健の先生から女性の体についての授業を受けたっけ。授業が終わると男子たちから冷やかされたな〜という記憶があるけど、今は?
この時から変わっていないとしたら、それは「悲しいな」と思うんです。
もちろん、国や宗教的な理由で話せない事情があるケースもありますが、生理は女性の体にあるべきものであり、病気ではありません。女性はもちろん、男性も知っておくべきだと思うのです。
道徳や保健体育の授業で女子も男子も一緒に学んで欲しいし、家族でも話す機会が増えたらいいのに、と思うのです。

先日、吸収性サニタリーショーツのブランドを立ち上げた起業家の方と会う機会があり、商品のことやフェムテック市場について意見交換をしていたのですが、その時の言葉が印象的でした。
「女性がさらなる社会進出を目指すうえでも、女性だけが生理のことを知っていればいいというわけではないと思うんです。女性の体の仕組みをオープンに語れ、理解してくれるやさしい社会であって欲しい」と話していました。

フェムテック市場は2025年には約5兆円規模まで成長すると言われています。商品やサービスはより向上していくことでしょう。そして、この市場が女性の体や健康、そして理解のある社会作りの後押しになることは間違いありません。
私たちができることは何か。まずは一人ひとりの意識を変えていかなければならないし、いけたらいいな、と感じています。


美容エディター・ライター
長谷川真弓